海辺の教室


平成28年度海辺の教室開催の様子

平成28年4月「魚のからだと年齢」

4月の海辺の教室のテーマは「魚のからだと年齢」でした。

教室では、魚のからだの構造や役割、年齢調査の方法について学習した後、メバルとクロダイを使って魚のからだの観察や年齢を調べました。実際に魚に触れながら、口やヒレ等の観察を行った後、専用のハサミを使って内臓の観察も行いました。

からだの観察を行った後は、煮付けにしたメバルから取り出した耳石とクロダイのウロコを使って年齢を調べました。

今回使ったメバルの年齢は2歳から3歳、クロダイの年齢は約1歳でした。                                      

家庭でも食べる機会の多い魚ですが、改めて観察してみると新しい発見があると大変好評でした。

講義

まずは、魚のからだの構造や役割、年齢調査の方法について学習しました。

魚の体観察

次にメバルを使って実際に魚に触れながら、口やヒレなどの観察を行った後、専用のハサミを使って内臓の観察も行いました。観察中は、ヒレや臓器などの各部位の役割についても 学習しました。

耳石調査

からだの観察をした後は、煮付けにしたメバルから取り出した耳石を使って年齢を調べました。調べたメバルは2歳〜3歳のものが多いということがわかりました。※耳石は、魚の頭の中にあり、体の平衡バランスを保つ働きがあります。また、木と同じように年輪が刻まれています。

鱗調査

最後に、ウロコが大きく観察しやすい「クロダイ」を使って、ウロコから年齢を調べました。ウロコにも年輪が刻まれており、約1歳であることがわかりました。

平成28年5月「メダカの観察」

5月の海辺の教室のテーマは「メダカの観察」でした。
 教室では、オスとメスの見分け方、メダカの特徴、飼育方法などを学び、実際に卵を顕微鏡で観察しました。観察した卵の中には、孵化直前のものもあり、心臓の動きや血液の流れを見ることができました。

小さな卵の中で、一生懸命生きているメダカの赤ちゃんを観察することで、命の大切さを学ぶことができました。

まず、実際にメダカを観察しながら、性別の見分け方について学習しました。その後、飼育に使用する水の説明を行う等メダカの飼育方法について講義をおこないました。

コイワシ

次にメダカの『定位行動』を観察する実験を行いました。『定位行動』は、メダカが川の流れに逆らって同じ場所にとどまり続けようとする行動のことで、白黒の線を入れた円形の筒紙を、水槽にそって回転させていることで水流が起こっているとメダカに錯覚させることができます。

衣づけ

次にメダカの卵の顕微鏡観察とスケッチを行いました。観察した卵には、様々な発生段階のものがあり、中には心臓や血液の流れが観察できるものもありました。

衣づけ

メダカの卵以外にもモクズガニやカキの卵等の顕微鏡観察とスケッチも行いました。メダカ以外の卵を観察することで種類によって卵の形や大きさの違いをよりわかりやすく知ることができました。

平成28年6月「海辺のいきもの」

 

6月の海辺の教室のテーマは「海辺のいきもの」でした。

潮の満ち引きや干潟の役割について学習するとともに、水産振興センターの前にある八幡川河口の干潟で生物採集を行いました。

  開催日当日は、小雨の中での活動となりましたが、参加者の皆さんは夢中になって生き物を採集していました。

また、今年は、特別に許可を取り、曳き網(地引網)を使用した生物採集も行い、ヒイラギ、ハゼ、ヨウジウオ、モクズガニ等の魚やカニを観察することができました。

干潟探索を通して色々な生き物と触れ合い、干潟の重要性を学習することができました

干潟の役割等について学習し、水産振興センターの前にある八幡川河口の干潟で曳き網による生物採集の見学や干潟探索を行いました。

コイワシ

まずは、曳き網による生物採集を見学しました。職員2名が海の中に入り、全長約8メートル程ある網を引っ張る様子を皆さん真剣に見つめていました。

衣づけ

次に、干潟探索を行いました。素手やスコップでカニ、ヤドカリを採集したり、玉網でハゼ等の魚を採集しました。

衣づけ

干潟探索で採集した魚やカ二等について図鑑で調べました。自分で種類を調べることで、干潟には、多くの生物が生息していることをより実感することができました。

平成28年7月「チリメンモンスター」

7月の海辺の教室は、「チリメンモンスター」をテーマに開催しました。

「チリメンモンスター」は、シラス干しやチリメンジャコを製造する際に、本来であれば規格外として捨てられてしまうイワシの稚魚以外の生物です。

海の生物の多様性や食物連鎖について学習することができると毎年、大変人気のあるテーマです。

今回の教室では、シラス漁やチリメンジャコの製造工程などについて学習した後、チリメンモンスター探しと観察を行いました。見つけ出したチリメンモンスターは、種類を調べて、画用紙に張り付け、図鑑を作成しました。

まずは、シラス漁やチリメンジャコの製造工程について学習しました。日本の伝統的な食品として親しまれているチリメンジャコですが、製造工程をはじめて知ったという参加者もいました。

コイワシ

次に、たくさんのチリメンモンスターの中からピンセットや虫眼鏡を使い、珍しい種類のチリメンモンスターが混じっていないか探しました。

衣づけ

見つけ出したチリメンモンスターを図鑑を使い、同定しました。タツノオトシゴ、タチウオ、タコ、イカ、エビなども見つけることができました。 自分で種類を調べることで海の中には、多種多様な生物が生息していることを知ることが出来ました。

衣づけ

最後に、お気に入りのチリメンモンスターを使って、オリジナルの図鑑を作りました。海の生物について、手軽に学習することができ、夏休みの自由研究にもお勧めです。

平成28年8月「育てる漁業:オニオコゼ」

8月の海辺の教室のテーマは「育てる漁業:オニオコゼ」でした。

水産振興センターで育てたオニオコゼなどを使って、水産振興センターのメインの仕事の1つである「育てる漁業(栽培漁業)」について学習しました。

「育てる漁業(栽培漁業)」とは、人の手で卵から稚魚をふ化させ、一定の大きさまで育てた後、育てた魚を海に放流して海の資源を守ることです。

開催日当日は、水産振興センターで育てたオニオコゼとマコガレイの稚魚の放流体験やオニオコゼの味噌汁の試食などを行い、とても好評でした。

まずは、水産振興センターの種苗生産施設(※)を見学し、栽培漁業と養殖漁業の違いなどについて学習しました。(※)種苗生産施設とは、魚の稚魚をつくり、育てる施設のことです。

コイワシ

水産振興センターで育てたオニオコゼの稚魚です。 オニオコゼは、稚魚と言っても親魚と同様に背びれに毒を持っているため、注意が必要です。また、オニオコゼ稚魚のほかに、マコガレイ稚魚も観察しました。

衣づけ

港に移動し、オニオコゼとマコガレイの稚魚を放流しました。参加者の皆さんは、「大きくなってね。」と声をかけながら放流し、稚魚が元気に泳いでいく姿を見て、なごり惜しそうでした。

衣づけ

最後に、オニオコゼの味噌汁を試食しました。

味噌汁は、オニオコゼの出汁がしっかりと出て、身もプリプリとしてとても美味しいと好評でした。

平成28年9月「プランクトン」

9月の海辺の教室のテーマは「プランクトン」でした。

海の中を漂うプランクトンや赤潮が発生する仕組みなどについて学び、井口港でプランクトンネットを使ってプランクトンの採集を行いました。

採集したプランクトンを教室に持ち帰り、顕微鏡で観察し、スケッチをしました。

一見何もいないように見える澄んだ海水の中にも顕微鏡で観察すると多くの種類のプランクトンがわかり皆さん驚いていました。

まずは、プランクトンの生態や赤潮が発生する仕組みなどについて学習しました。プランクトンに関するクイズなども交え、楽しみながれ学習することができました。

コイワシ

教室で学習した後、港でプランクトンを採集しました。台風接近のため、天候が心配されましたが、無事に作業を行うことができました。参加者の皆さんは、一生懸命プランクトンネットを曳いていました。

衣づけ

プランクトンを採集した後は、各自で観察用プレパラートを作成しました。スライドガラス、スポイド及びカバーガラスを使い、皆さん上手に作ることが出来ました。

衣づけ

自分たちで作ったプレパラーとを使い、顕微鏡で観察しました。参加者の中には、夜光虫やフジツボの幼生を発見した方もいらっしゃいました。皆さん、めずらしいプランクトンを見つけようと夢中になって観察していました。

平成28年10月「魚の飼い方」

10月の海辺の教室のテーマは、「魚の飼育」でした。

教室では、海や川で魚を採集するポイントや採集した魚の飼育方法について学習した後、実際に砂や海藻をレイアウトして海水魚水槽の設置体験を行い、本館入口に展示しました。飼い方の知識をつけ、丁寧に管理を行なえば、自宅でも魚を飼育するこができるので皆さんも飼育にチャレンジしてみてください。

まず、魚の採り方や水槽設置、飼育におけるポイントなどについて学習しました。

コイワシ

グループに分かれ、60cmサイズの水槽を使用して、砂や海藻をレイアウトしました。皆さん、グループ内で相談しながら上手にレイアウトすることができました。

衣づけ

メバル、マコガレイ、クサフグなど自分たちで図鑑を使い、名前や生態について調べた後、レイアウトした水槽の中に魚を入れました。

衣づけ

レイアウトした水槽を本館入口に展示しました。きれいにレイアウトされた水槽のおかげで入口がにぎやかになりました。

平成28年12月「カキ養殖」

12月の海辺の教室では、広島の水産業を代表する「カキ養殖」をテーマに、カキの生態、カキ養殖の歴史や養殖方法及び水産振興センターのカキ採苗調査(カキの稚貝をとるための調査)などについて学習しました。また、体験では、ホタテガイの殻についているカキの赤ちゃん(稚貝)の観察とカキ打ち体験を行いました。

まずは、講義とビデオでカキの生態、カキ養殖の歴史、養殖方法などについて学習しました。

カキの赤ちゃんが夏場に生まれることやホタテガイを使って稚貝をとることを初めて知ったという方もたくさんいました。

コイワシ

次に水産振興センターの採苗調査(カキの稚貝をとるために行う調査)について学習し、実際にホタテガイについたカキの稚貝を数えました。拡大鏡を使って観察しましたが、皆さんゴミと見分けが付かないと苦戦していました。

衣づけ

カキの稚貝を観察した後は、専用の道具(カキ打ち)を使って、殻から身を取り出すカキ打ち体験を行いました。最初は、使い慣れない道具に苦戦していましたが、回数をこなすうちに上達し、最後には、身を傷をつけることなく取り出すことができました。

衣づけ

教室の最後には、蒸しガキの試食を行いました。調味料を使わず、素材の味をそのまま食べてもらいましたが、カキが含んだ海水からくる塩味とカキの風味がマッチして、非常に美味しいと大変好評でした。

平成29年1月「かまぼこ作り」

1月の海辺の教室のテーマは「かまぼこ作り」でした。
  ご家庭でも食べる機会も多いかまぼこですが、どのように作られているのか知らない人も多いようです。今回、海辺の教室では、かまぼこの歴史、原材料及び作り方を学習し、実際に魚の切り身を使ってかまぼこ作りに挑戦しました。また、かまぼこ屋さんに予め作ってもらったすり身を使って、かまぼこを作り、自分たちで作ったかまぼこと食べ比べを行いました。

まず、かまぼこの歴史、原材料、作り方などについて学習しました。

様々な魚が用いられて作られますが、今回はスケソウダラを材料にしてつくりました。

コイワシ

スケソウダラの切り身を細かく刻み、塩、みりん、片栗粉を加えて、すり鉢ですり潰しました。しっかりとすり潰さないと弾力がでないため、皆さん一生懸命、作業していました。

衣づけ

すり身ができたら、いよいよ成形作業です。かまぼこ板にすり身をのせ、ヘラを使って形を整えました。また、かまぼこ屋さんに予め作ってもらった、すり身も使い、2種類のかまぼこを作りました。

衣づけ

蒸しあがったかまぼこです。かまぼこ屋さんのすり身で作ったものと比べると弾力が少ないものになってしまいましたが、魚の風味がしっかりとして美味しいと好評でした。

平成29年2月「海藻」

2月の海辺の教室のテーマは「海藻」でした。

海藻に関する基礎知識や広島市内で行われているワカメ養殖などについて学習したあと、天然のワカメや海藻を使って標本作り、押し葉作りを行いました。

最後は、生ワカメのしゃぶしゃぶを試食しました。

生のワカメや海藻に触れる機会はとても少ないため、良い経験ができたと大変好評でした。

海藻の基礎知識について学んだ後、広島市内のワカメ養殖や生態について実際にワカメに触りながら学習しました。今シーズンは、養殖のワカメが不作であったため、天然のワカメを使っての講義となりました。

コイワシ

ワカメの葉を広げて、標本を作りました。

広げてみると1m近くあるワカメもあり、大きく生長したワカメに皆さん驚いていました。

押し葉

様々な海藻(緑藻、褐藻、紅藻など)を使って、押し葉を作りました。海藻を組み合わせ、皆さん個性あふれる素敵な作品をつくることできました。

しゃぶしゃぶ

最後にワカメをしゃぶしゃぶにして試食しました。熱湯にさっと生ワカメをくぐらすと、鮮やかな緑色に変わるため、参加者の方は、色が変わる瞬間を楽しみながら試食していました。

平成29年3月「魚のおろし方」

3月の海辺の教室のテーマは「魚のおろし方」でした。

包丁の持ち方や魚の体の構造について学習した後、「アジ」と「クロダイ」の三枚おろしに挑戦しました。

魚をおろした経験がある方は少なく、初めての三枚おろしに、最初は苦戦していましたが、作業を進めていくうちにコツをつかみ、最後は、上手に三枚おろしにすることができました。

作業後には、おろしたアジをフライにして試食しました。

参加者の方からは、「これからは家庭でも自分で魚をおろしてみたい」と大変好評でした。

最近は、スーパーなどで販売されている魚は、切り身にされていることが多く、ご家庭で魚をおろす機会は減っていますが、この教室をきっかけに、是非、ご家庭でも三枚おろしに挑戦してみてください。

まず、包丁の持ち方や魚の体の構造について学習しました。今回は、「アジ」と「クロダイ」 の2種類の魚について、三枚おろしに挑戦しました。 写真は、クロダイです。

コイワシ

次に職員のおろし方の実演を見学し、いよいよアジの三枚おろしに挑戦です。包丁を持ち、緊張した面持ちで作業を開始しましたが、すぐに慣れ、上手に三枚おろしにすることができました。

押し葉

次は、クロダイに挑戦です。クロダイはアジと比べると、ウロコも硬く、ヒレもとがっているため、最初は苦戦しながら作業していましたが、クロダイも最後は上手に三枚おろしにすることができました。

しゃぶしゃぶ

最後に自分たちでおろしたアジの身と骨をフライにして試食してもらいました。自分でおろしたアジの味は、格別に美味しいですね。

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