海辺の教室


平成29年度海辺の教室開催の様子

平成29年4月「プランクトン」

 4月の海辺の教室のテーマは「プランクトン」でした。
 海の中を漂うプランクトンや赤潮が発生する仕組みなどについて学び、井口港でプランクトンネットを使ってプランクトンの採集を行いました。
 採集したプランクトンを教室に持ち帰り、顕微鏡で観察し、スケッチをしました。
 また、当センターで魚の餌として飼育している、ワムシやアルテミアの飼育水槽の見学を行いました。一見何もいないように見える澄んだ海水の中にも顕微鏡で観察すると多くの種類のプランクトンがわかり皆さん驚いていました。

まずは、プランクトンの生態や赤潮が発生する仕組みなどについて学習しました。プランクトンに関するクイズなども交え、楽しみながら学習することができました。

教室で学習した後、港でプランクトンを採集しました。参加者の皆さんは、一生懸命プランクトンネットを曳いていました。

顕微鏡で観察しました。参加者の中には、夜光虫やフジツボの幼生を発見した方もいらっしゃいました。皆さん、めずらしいプランクトンを見つけようと夢中になって観察していました。

当センターのワムシやアルテミアの飼育水槽の見学です。ふ化した魚の餌となるシオミズツボワムシの説明を聞いています。

平成29年5月「メダカの観察」

5月の海辺の教室のテーマは「メダカの観察」でした。
 教室では、メダカの特徴や育て方などを学んだ後、メダカの視覚、行動及び体色の変化などの実験を行いました。

また、実際に卵を顕微鏡で観察しスケッチをしました。観察した卵の中には、ふ化しそうなのものもあり、心臓の動きや血液の流れを見ることができました。

小さな卵の中で、一生懸命生きているメダカの赤ちゃんを観察することで、命の大切さを学ぶことができました。

まず、実際にメダカのオスとメスの見分け方などについて学習しました。また、飼育に使う水の説明を行うなどメダカの育て方について学習しました。

次に、メダカの『定位行動』を観察する実験を行いました。『定位行動』とは、メダカが川の流れに逆らって同じ場所にとどまり続けようとする行動のことで、白黒の線を入れた円形の筒紙を、水槽にそって回転させていることで水流が起こっているとメダカが錯覚し、回転に逆らって泳ぎだします。

メダカの卵の顕微鏡観察とスケッチを行いました。観察した卵は、卵を産んで、数日から10日ぐらい経ったものを使用し、中には心臓や血液の流れが観察できるものもありました。

メダカの卵ほかにもモクズガニの卵などの顕微鏡観察とスケッチも行いました。色々な卵を観察することで種類によって卵の形や大きさの違いをよりわかりやすく知ることができました。

モクズガニはこちら


平成29年6月「育てる漁業:マコガレイ」

6月の海辺の教室のテーマは「育てる漁業:マコガレイ」でした。

水産振興センターで育てたマコガレイの生態などを学習すると共に、水産振興センターの仕事の1つである「育てる漁業(栽培漁業)」について学習しました。

「育てる漁業(栽培漁業)」とは、人の手で卵から稚魚をふ化させ、一定の大きさまで育てた後、育てた魚を海に放流して海の資源を守ることです。

開催日当日は、水産振興センターで育てたマコガレイの稚魚の放流体験や稚魚及び稚ガニを生産している施設の見学などを行い、とても好評でした。

つくり育てる漁業や水産振興センターで育てている魚介類の赤ちゃん(種苗)について学習しました。また、マコガレイとヒラメの違いについても学習しました。

大きく育つことを願って、マコガレイの赤ちゃんを海へ放流しました。

魚介類の赤ちゃん(種苗)を育てている施設を見学しました。写真は魚介類の赤ちゃん(種苗)の餌のワムシをネットですくい、観察している様子です。

スズキの親魚へのエサやりに挑戦しました。水面で水しぶきをあげながらエサを食べる姿に参加者たちは大興奮でした。


平成29年7月「チリメンモンスター」

7月の海辺の教室は、「チリメンモンスター」をテーマに開催しました。海の生物の多様性や食物連鎖について学習することができると毎年、大変人気のあるテーマです。

今回の教室では、チリメンジャコはカタクチイワシ(コイワシ)の赤ちゃんであり、広島市でPRしている広島湾七大海の幸の食材の一つであることや、他6種類の魚介類についても説明をしました。

広島湾七大海の幸についてはこちら

※「チリメンモンスター」は、シラス干しやチリメンジャコを製造する際に、本来であれば規格外として捨てられてしまうイワシの稚魚以外の生物です。

シラス漁やチリメンジャコの製造工程について学習しました。日本の伝統的な食品として親しまれているチリメンジャコです。

たくさんのチリメンモンスターの中からピンセットや虫眼鏡を使い、珍しい種類のチリメンモンスターが混じっていないか探しました。

チリメンモンスターを図鑑を使い、種類を調べました。 タツノオトシゴやイセエビの赤ちゃんなどを見つけることができました。

最後に、お気に入りのチリメンモンスターを使って、オリジナルの図鑑を作りました。海の生物について、手軽に学習することができ、夏休みの自由研究にもお勧めです。


平成29年8月「かき養殖(採苗)」

8月の海辺の教室は、「かき養殖(採苗)」をテーマに開催しました。

カキ採苗とは、カキ養殖のためにカキの赤ちゃんをホタテガイの貝殻に付ける作業のことです。

広島では6月〜8月頃に、広島湾で行われます。

今回の教室では、広島カキの養殖方法や、皆さんに美味しいカキを安定して届けるためにとても大切な水産振興センターの仕事「カキ採苗調査」などについて学習しました。

目の小さな網(プランクトンネット)を使ってカキの赤ちゃん(幼生)を実際に採取しました。

井口漁港では、小型のカキの赤ちゃんが少し見つかりました。

時計皿とピペットを用い、時計皿の中心にカキの幼生を集めている様子です。

上手に、カキの赤ちゃんを集めることができたかな。

ホタテガイの殻についた、カキの赤ちゃん(稚貝)を見ている様子です(種見)。

カキの稚貝とフジツボの稚貝も付いています。

カキの幼生が動いている様子が見えました。


平成29年9月「魚のからだと年齢」

今回の教室では、魚のからだの構造や役割、年齢調査の方法について学習した後、メバルとを使ってエラや内臓などからだの観察を行いました。

また、クロダイのウロコや、煮付けにしたメバルから取り出した耳石を使って年齢を調べました。

皆さんも、魚を食べる時は年齢を調べてみましょう。

今回用意した魚は広島湾七大海の幸 の魚です。

はじめに、魚のからだの構造や役割、年齢調査の方法について学習しました。

次にメバルを使って魚に触れながら、口やヒレなどの観察や、包丁の代わりに専用のハサミを使って内臓の観察も行いました。

メバルの頭部から耳石を取り出し年齢を調べました。メバルは3歳のものが多いということがわかりました。

からだの観察をしたメバルを煮付けにし、皆さん美味しく食べました。

※耳石は、バランスを保つ働きがあります。

また、ウロコにも年輪が刻まれており、クロダイのウロコを使って年齢を調べました。調べたクロダイは、約4歳であることがわかりました。


平成29年10月「魚の飼い方」

教室では、海や川で魚を採集するポイントや採集した魚の飼育方法について学習しました。

その後、グループごとに水槽に入れる魚の生態について図鑑等で学習し、みんなで協力して石や海藻のレイアウトしオリジナル水槽を作りました。

なお、今回の海辺の教室で設置した水槽は、本館入口に展示していました。

はじめに、魚の採り方、採るときの注意点や魚の飼い方について学習しました。

また、金魚の祖先がフナであることを学習しました。

事前に採集した魚の種類を図鑑で調べてもらいました。

今回用意した魚は、カサゴ、キュウセン、ヒガンフグ、キュウセン、マダイ、アジなどでした。

60cmサイズの水槽に、石や海藻をレイアウトした後、魚を水槽に入れました。石に身を潜めるカサゴのために、石を工夫してレイアウトしています。

班ごとに共同作業をして3つの水槽をレイアウトすることができました。

砂に潜ったキュウセンや石に隠れたカサゴを探してみましょう。


平成29年12月「カキ養殖(歴史など)」

12月の海辺の教室では、「カキ養殖(歴史など)」をテーマに行いました。8月に実施した「カキ養殖(採苗)」と同じくカキをテーマにした内容です。

今回は、カキ養殖の歴史や広島カキの養殖方法について学習しました。また、殻からカキの身を取りだす「カキ打ち」のコツを学習した後、実際に挑戦しました。

カキ打ちでは、慣れない道具を使って、硬いカキの殻を打ち、カキの身を取りだすのに苦労していました。

アサリやホタテなどの二枚貝ではむき身にすることを「開ける」と言われていますが、広島カキの場合は、「カキ打ち」と言う道具を使い、殻を打って身を取りだすことから「カキ打ち」と呼ばれています。

広島カキ紹介ページ

まずは、カキ養殖の歴史と養殖方法の勉強です。

どれぐらいの期間海の中で養殖されて、皆さんの食卓に並ぶのかなどを勉強しました。

いよいよカキ打ちに挑戦です。「カキ打ち」という道具を使い、カキを打ち開けます。この道具は広島に限られているようで、宮城、岡山、兵庫などの産地ではナイフタイプが主流です。詳しくはこちらをご覧ください。

殻を開けた様子です。最初は難しかったようですが、何個か打つうちに、だんだん上達し、上手くカキ打ちができるようになりました。

最後にカキの美味しさを知ってもらうため、蒸しガキの試食をしてもらいました。皆さん美味しいと好評で、残さず食べました。


平成30年1月「かまぼこ作り」

1月の海辺の教室では、「かまぼこ作り」をテーマに行いました。

広島市では約150年ほど前から板付きのかまぼこが作られていたと言われています。

まず、かまぼこの歴史や原材料(何の材料で作られているか)や作り方について学習し、その後、実際にかまぼこ作り体験を行いました。今回は、蒸しかまぼこ(板かまぼこと色付き飾りかまぼこ)と揚げかまぼこ(じゃこ天)を作りました。

魚のすり身をすり鉢で練る作業やかまぼこ板にすり身をのせてドーム型に形を作る作業に少し苦戦しているようでした。皆さん、色々なかまぼこを是非食べてみてください。

学習

まずは、かまぼこの歴史や作り方などの勉強です。

かまぼこの材料であるすり身が、世界のどのような魚が使われているのかを知りました。かまぼこの種類の多さにも驚いているようでした。

すり身

いよいよかまぼこ作りに挑戦です。今回はスケソウダラという魚をすり鉢を使ってすり身にしていきます。

皆さん初めての体験に苦戦しながらも、楽しく上手にすり身にすることができました。

成型

かまぼこ板の上にすり身をのせ、ドーム型にヘラを使って整える「成型」という作業です。

いつもスーパーなどで見ていたかまぼこですが、きれいに作る難しさを体験することで実感できました。

完成かまぼこ

皆さんが成型したかまぼこを蒸し器で蒸しかまぼこにしました。

アジなどの魚のすり身を使って揚げたじゃこ天も作り、出来立てを試食しました。

皆さん、色々なかまぼこを是非食べてみてくださいね。


平成30年2月「海藻の役割」

2月の海辺の教室では、「海藻の役割」をテーマに行いました。

海藻と海草の違いや広島市内で行われているワカメ養殖などについて学習した後、養殖ワカメの刈り取り体験や生ワカメの標本作りを行いました。また、広島湾に生息している海藻を使い押し葉作りも行いました。

養殖ワカメの種糸(※ワカメの赤ちゃんが付いた糸)は当センターで生産されたものです。詳しくはこちら

最後は、ワカメのしゃぶしゃぶを試食しました。こげ茶色の生ワカメを熱湯に入れると、ワカメの色が鮮やかな緑色になる様子も観察してもらいました。

皆さんが作った海藻の押し葉は、水産振興センター入口に掲示しますので、是非見に来てください。

学習

養殖ワカメの刈り取り体験の様子です。

12月にワカメの赤ちゃんが付いている種糸を養殖用ロープに巻き、八幡川河口で養殖をしていたワカメです。長いもので1mぐらいでした。

すり身

養殖ワカメの葉を広げて、観察と標本作りをしている様子です。

普段スーパーなどでは見かけることができないワカメの全体像を観察することができました。

成型

様々な海藻を使った押し葉作りです。

3色の海藻(緑藻、褐藻、紅藻)を使って、皆さん自由に海藻の押し葉を作りました。

水の中に台紙を入れ、海藻の葉をきれいに広げて、作るのがポイントです。

完成かまぼこ

最後は皆さんに、ワカメのしゃぶしゃぶを試食してもらいました。

熱湯にこげ茶色の生ワカメを入れるとすぐにワカメの色が鮮やかな緑色に変わります。その時が食べごろです。

とても柔らかく美味しかったのか、皆さん何度もおかわりをしていました。