海辺の教室


平成30年度海辺の教室開催の様子

平成30年4月「魚のからだと年齢」

4月の海辺の教室のテーマは「魚のからだと年齢」でした。
魚のヒレの名前やエラの構造などを学習した後、広島でも身近なメバルという魚を使って、内臓の各部位を観察し、スケッチもしました。次に、年齢を調べました。魚の年齢は、魚の耳(内耳)にある耳石・ウロコ・背骨に刻まれた線を見ることで、その魚が何歳かが分かります。観察後のメバルを煮付けて試食した後、耳石を取り出し、観察しました。また、クロダイのウロコも観察しました。今回観察したメバルとクロダイはともに3歳から4歳であることが分かりました。
  参加者の方からは、「耳石の取り出し方がわかった。家でも色々な魚を食べて耳石を集めたい」など好評でした。耳石の観察は虫メガネでも簡単にできますので、ご家庭で魚を食べる時は、是非挑戦してみてください。 

学習

魚の呼吸の仕方やからだの各部位の名前や役割などを学習している様子です。

魚のからだに関するクイズにも皆さん積極的に手をあげて大きな声で答えてくれました。

観察

メバルのからだを観察している様子です。

心臓や胃などの構造と位置をしっかりと観察しました。左右にエラが4枚ずつあることにも驚いている様子でした。

年齢調査

クロダイのウロコを使って年齢を調べました。顕微鏡の使い方に苦戦しながらも、ウロコに刻まれた年輪を見ることができました。観察したクロダイは3歳〜4歳であることがわかりました。

完成かまぼこ

これはメバルの耳石の写真です。魚によって大きさや形が異なります。

家庭でも色々な魚を美味しく食べて、耳石集めに是非挑戦してみてください。

平成30年5月「メダカの観察」

5月の海辺の教室のテーマは「メダカの観察」でした。
 メダカのオスとメスの見分け方などを学習した後、自宅でメダカを飼育する方法や注意点を水槽を見ながら学びました。その後、メダカの視覚(眼の見え方)実験、泳ぎ方の行動実験などを行いました。また、実際にメダカの卵を顕微鏡で観察し、スケッチをしました。心臓や血液の動きを見ることができました。
 参加者の方からは、「小さな卵の中で動いているメダカの赤ちゃんを観察して感動し、命の大切さを学ぶことができた。」という声がありました。 

説明

飼育水槽を見ながら、メダカの飼育のポイントを学びました。

また、メダカはヒレの形からオスとメスの区別がつくことも実際にメダカを観察しながら学習しました。

実験

メダカ「定位行動」に注目した実験の様子です。

白黒の線が入った円形の筒紙を、水槽にそって回転させます。すると、メダカは景色が変わり流されている気持ちになります。同じ場所に留まろうとし、メダカは泳ぎだします。これが「定位行動」です。

顕微鏡

メダカの卵を顕微鏡を使って観察している様子です。顕微鏡の使い方に苦戦しながらも、卵を観察して、動く心臓や血液の流れを実際に見ることができました。

皆さん感動されている様子でした。

メダカ

メダカは比較的簡単に飼育できますので、いきもの飼育の入門にピッタリです。是非チャレンジしてみてください。

ただし、最後まで責任を持って大切に育ててあげてくださいね。

平成30年6月「育てる漁業:マコガレイ」

6月の海辺の教室のテーマは「育てる漁業:マコガレイ」でした。
 育てる漁業である栽培漁業や当センターで育てて放流しているマコガレイの放流効果等について学習した後、実際に、港でマコガレイの赤ちゃん(稚魚)の放流体験を行いました。また、種苗生産施設の見学では、ふ化して間もないオニオコゼの赤ちゃん(仔魚)を見ることができました。
 参加者の方からは、「貴重な放流体験ができて良かった。」「栽培漁業について理解することができた。」という声がありました。 

説明

栽培漁業や水産振興センターで育てている魚介類の赤ちゃんなどについて学習しました。カレイとヒラメの違いについて学習している様子です。

放流体験

水産振興センターで育てたマコガレイの赤ちゃんを海へ放流しました。マコガレイの赤ちゃんは戸惑いながらもゆっくりと海へ泳いでいきました。大きく育つことを願いながら皆さん放流をしていました。

施設見学

魚介類の赤ちゃんを育てている種苗生産施設を見学しました。写真はオニオコゼのふ化したばかりの赤ちゃんを観察している様子です。

エサやり

スズキの親魚へのエサやりに挑戦している様子です。配合飼料というエサをあげました。

豪快にエサを食べる姿に皆さん驚かれていました。

平成30年7月「カキ養殖(採苗)」

7月の海辺の教室のテーマは「カキ養殖(採苗)」でした。

カキの養殖工程の1つである採苗について学習しました。採苗とは、大量のホタテガイの貝殻をカキ筏から海につけ、カキの幼生(赤ちゃん)が付着するのを待ち、種苗を確保することをいいます。カキ養殖にとって最も重要な作業ともいわれています。学習の後、実際に港でプランクトンネットを使って幼生を採取し、顕微鏡でカキの幼生を観察しました。参加者の方からは、「夏のカキ養殖業者さんの作業工程が初めてわかりました。」という声がありました。 

説明

カキ養殖の中の採苗という作業について学習しました。カキの幼生は2週間エサを食べながら海をただよい、大きく育った幼生(約0.3o)だけが付着物に付きます。当センターでは採苗時期には、カキ幼生調査をほぼ毎日実施しています。

プランクトンネット

小型のプランクトンネットを使って、実際に港でカキの幼生を採取している様子です。

この日は、港の中でも大きなカキ幼生が採取できました。

顕微鏡観察

顕微鏡で採取したカキ幼生を観察しました。産まれたばかりの幼生から大きく育った幼生まで様々なサイズの幼生が観察できました。

種見

大きなカキ幼生が付着した、ホタテガイの貝殻をルーペを使って観察しました。付着したカキ幼生はすぐにカキ稚貝となります。まだ、成貝とは形が異なりますが、殻ももっています。

平成30年8月「チリメンモンスター」

8月の海辺の教室のテーマは「チリメンモンスター」でした。

チリメンモンスターとは、シラス干しやチリメンジャコを製造する際に、本来であれば規格外とし除去されるイワシの稚魚以外の生物のことをいいます。

海の生物の多様性や食物連鎖について学習できるテーマです。シラスの漁業方法やチリメンジャコの製造方法などを学習した後、チリメンモンスター探しとルーペを使って観察を行いました。見つけたチリメンモンスターが、どの生物の赤ちゃんかを図鑑を使って調べました。皆さん画用紙に貼り付け、オリジナルのチリモン図鑑を作りました。 

説明

シラス漁やチリメンジャコの製造工程などについて学習しました。スーパーなどで売られている商品は、チリモンが除かれて販売されているということも学びました。

観察

次に、たくさんのチリメンジャコの中からイワシ稚魚以外を探し出しました。ピンセットやルーペを使います。写真は、タチウオの稚魚を観察している様子です。

同定

探し出したチリモンを図鑑を使って、同定しました。タツノオトシゴ、ヨウジウオ、タコ、イカ、ボラなどの赤ちゃんが見られました。多くの種類が見られ、改めて生物が豊かな海であることを実感しました。

図鑑作成

名前がわかったチリモンでオリジナルの図鑑を作りました。海の生物について学習でき、夏休みの自由研究にもおすすめです。

家庭でもチリモン探しをやってみるとの声も聞かれました。

平成30年9月「プランクトン」

9月の海辺の教室のテーマは「プランクトン」でした。

海の中を漂う様々な種類のプランクトンや赤潮が発生する仕組みなどについて学び、井口港でプランクトンネットを使ってプランクトンの採取を行いました。 採取したプランクトンを教室に持ち帰り、顕微鏡で観察し、スケッチをしました。 また、当センターで魚の餌として飼育している、ワムシやアルテミアというプランクトンの観察も行いました。何気なく見ていた海水の中に、顕微鏡で観察すると多くの種類のプランクトンがいることがわかり皆さん驚かれていました。

ネット曳

教室で学習した後、港でプランクトンを採取しました。参加者の皆さんは、一生懸命プランクトンネットを曳いていました。この日は植物プランクトンが多く、海水が緑色に着色していました。

顕微鏡

採取したプランクトンを容器に入れ持ち帰りました。

どんなプランクトンがいるのか楽しみにしながら、皆さん自分で顕微鏡をセッティングしました。

観察

顕微鏡でピントを合わせ調節して観察をし、スケッチしている様子です。皆さん、めずらしいプランクトンを見つけようと夢中になって観察していました。

ワムシ

魚の餌にも使われるワムシの写真です。教室を通して、小さなプランクトンですが、生態に重要な役割を果たしていることを学習しました。プランクトンがいることで、魚やカキなどの生物は生きることができるんですよ。

平成30年10月「魚の飼い方」

10月の海辺の教室のテーマは「魚の飼い方」でした。

まず海や河川で魚を採取するポイントや魚の飼育方法などについて学習し、その後3班に分かれ実際に水槽のレイアウトに挑戦しました。どのような水槽にするか話し合い、石、流木、海藻などを選び設置し、その後水槽に入れたい魚を選びました。名前のわからない魚については図鑑で調べました。飼育する魚の特性(なわばりを持つなど)を調べたうえでレイアウトし飼育すると、より良い水槽ができます。皆さんも挑戦してみてください。

第1展示室

  第1展示室水槽のバックヤードを見学し、配管の仕組みなどを見学しました。その後、職員がエサやりをし、魚がどのようにエサを食べるのかを観察しました。食べ残したエサも除けるように水槽の仕組みは工夫されています。

レイアウト

  水槽のレイアウトに挑戦です。写真は砂利をしいた上に、石、流木、フジツボの殻などを設置している様子です。魚のかくれがや綺麗な見た目になるように、工夫して設置しました。

魚選び

  水槽に入れる魚を選んでいる様子です。皆さん入れたい魚が違いましたが、話し合いで決めました。決めた魚を小さなアミで捕まえるのに苦労していました。その後、魚の名前を図鑑でしっかりと調べました。

水槽

  当センター本館入り口に皆さんに書いていただいた感想文と水槽を展示しています。

  魚も新たな水槽の環境になじんだ様子で、元気です。是非センターに水槽を見に来て下さいね!(現在は展示しておりません。)

平成30年12月「カキ養殖(歴史など)」

12月の海辺の教室のテーマは「カキ養殖(歴史など)」でした。

まずカキ養殖の歴史や養殖方法などについて学習し、その後カキ打ちに挑戦しました。貝柱の位置や道具(カキ打ち)の使い方を学習し、むき身にするコツを学習しました。道具の使い方やカキの硬い殻に苦戦しながらも、上手に貝柱を切り、カキを開け、むき身を取り出していました。参加者の中には、傷をつけず上手にカキを開け、動くカキの心臓を観察できた方もいました。体験後、カキを試食し、参加者からは「今後家庭でも調理して食べてみたい」との声も聞かれました。カキの収獲シーズンに入り、カキが非常に美味しい季節です。皆さんもカキをたくさん食べて下さいね。

学習

カキ養殖について、クイズも出題しながら学習しました。カキを収獲するまでに、様々な作業があることを学習しました。

カキ打ちでは貝柱の数や位置が重要なポイントとなるのですが、カキの貝柱は1個で左下にあるということを学びました。

牡蠣とり帳

牡蠣とり帳で「牡蠣」という漢字を練習し、さらに牡蠣に関する知識も深めました。

カキ打ち

カキ打ちに挑戦です。カキ打ちという2本刃が付いた専用の道具を使いました。カキの先端に穴を開け、そこから刃を入れ貝柱を切ります。皆さんカキの殻が硬く、穴を開けるのに苦戦していました。

カキ打ち後

カキを数個打つと皆さんみるみるうちに上達していきました。今回カキ打ち体験や養殖についての学習を通して、プロの打ち子さんの凄さや、スーパーなどで見てきたむき身がどのような養殖工程でできるかを学べました。     

平成31年1月「かまぼこ作り」

1月の海辺の教室のテーマは「かまぼこ作り」でした。

普段食べたり、量販店で売られているかまぼこが、どのような材料で、どのような方法で作られているか知っていますか。今回の海辺の教室では、かまぼこの歴史、原材料、作り方の学習を行なった後、実際にクロダイの身をすり潰して作った蒸しかまぼこと白身魚のすり身(既製品)を使った蒸しかまぼこの2種類のかまぼこ作りに挑戦しました。

原材料に用いる魚によって、味や弾力に違いがあり、クロダイのかまぼこの方が美味しいといった声がでるなど大好評でした。

学習

かまぼこの歴史や作り方について学習しました。

広島では板かまぼこが製造され始めたのは約150年前からだと言われています。

牡蠣とり帳

いよいよかまぼこ作りに挑戦です。一生懸命すり身を練っています。

練り終わったすり身は、かまぼこ板に成型して蒸しかまぼこを作ります。

カキ打ち

出来上がったかまぼこです。

海辺の教室の開催時間の関係上「坐り」を省いていますが、見た目は立派なかまぼこの完成です。

カキ打ち後

既製品のすり身を使ったかまぼことクロダイの身で作ったかまぼこの食べ比べを行いました。

皆さん、美味しいと大好評でした。

平成31年2月「海藻の役割」

2月の海辺の教室のテーマは「海藻の役割」でした。

海藻と海草の違いや広島市内で行われているワカメ養殖などについて学習した後、養殖ワカメの刈り取り体験や生ワカメの標本作りを行いました。また、広島湾に生息している海藻を使って、押し葉作りも行いました。

最後は、新鮮なワカメをしゃぶしゃぶで試食しました。こげ茶色の生ワカメを熱湯に入れると、ワカメの色が鮮やかな緑色になる様子も観察してもらいました。成育して間もないワカメは軟らかくて美味しいと大変好評でした。

養殖ワカメの種糸(※ワカメの赤ちゃんが付いた糸)は当センターで生産されたものです。詳しくはこちら

刈り取り

養殖ワカメの刈り取り体験の様子です。12月にワカメの赤ちゃんが付いている種糸を養殖用ロープに巻いて、広島湾で養殖していたワカメです。1mを超すワカメをハサミを使って刈り取りました。

ワカメ押し葉

ワカメの葉を広げて観察しながら、標本作りをしました。ワカメを広げて見たのは初めてで、普段スーパーや料理で見ていたワカメとの違いに驚いていました。葉、茎、メカブ、根(仮根)もテキストを見ながら観察しました。

海藻選び

様々な海藻を使って押し葉作りに挑戦しました。海藻は緑藻、褐藻、紅藻の3色に分けられます。海藻をルーペで観察しながら、葉を丁寧に広げ、ネコや雪だるま、海の中の様子など様々なアイディアで押し葉を作りました。

試食

ワカメをしゃぶしゃぶで試食しました。褐藻で茶色のワカメを湯に入れると、鮮やかな緑色に変わります。試食したワカメは伸びてまもない軟らかい赤ちゃんワカメで非常に柔らかく、皆さん、美味しいと大好評でした。


平成31年3月「魚のおろし方」

3月の海辺の教室のテーマは「魚のおろし方」でした。
  包丁の持ち方や魚の体の構造などについて学習した後、クロダイの三枚おろしに挑戦しました。魚をおろすのが初めての方がほとんどであったため、皆さん緊張気味で最初は苦戦していましたが、クロダイの体の構造を聞きながら、講師のおろし方を見て、頑張って挑戦した結果、皆さん上手におろすことができました。

 最後は、クロダイの唐揚げとじゃぶしゃぶを試食し、大変好評でした。是非、ご家庭でも三枚おろしに挑戦してみてください。

魚配布

まず、包丁の持ち方や魚の体の構造について学習しました。今回は「クロダイ」の三枚おろしに挑戦しました。

説明

クロダイの骨の構造などについて説明を聞いている様子です。魚をおろす際も、体の構造を知った上で行うとより上手にキレイにおろすことができます。

3枚おろし

クロダイはウロコがやや硬い魚なので、皆さん最初は苦戦していましたが、徐々に慣れ、上手に三枚におろすことができました。

切り身

最後はおろしたクロダイを唐揚げやしゃぶしゃぶで試食しました。臭みもなく、非常に美味しいと大変好評でした。ご家庭でも三枚おろしに挑戦してみてくださいね。