種苗放流効果調査(オニオコゼ)
市場における標識放流魚の混入率調査
広島市水産振興センターでは平成17年度からオニオコゼの種苗生産技術開発試験を始め、平成21年度からは毎年、安定して大きさ40o以上、3万尾以上の種苗を生産しています。
平成19年度からは継続して、生産した種苗のうちの一部に放流標識を施し、広島市に引渡した後、広島市の海域に放流されています。
オニオコゼ種苗生産事業の放流効果を確認する一つの基準とするため、市場における標識放流魚の調査をしました。
・平成24年度のまとめ
平成24年6月から8月にかけて5回、広島市中央卸売市場(広島市西区草津港一丁目8番1号)の卸業者2社に入荷したオニオコゼ活魚を調査しました。その結果、4尾の標識放流魚を見つけることができました。
標識をしていない放流魚を含めた混入率は14.8%と推定されました。
標識作業
オニオコゼの種苗をボールに入れ、麻酔をかけます。
動かなくなったら1尾ずつハサミで左側の腹ビレを切っていきます。
小さくても刺されると痛いため、大変な作業です。
左側の腹ビレを切った状態です。
痛々しいですが、水槽での飼育試験では、ほとんどが生き残ることを確認しています。
放流作業
袋詰めしたオニオコゼの種苗を漁業者の船に積み込み、放流場所まで運びます。
放流場所へ到着後、放流します。
水中でアマモ場に着底する様子です。
このまま自然の海で生き残り、成長することを期待します。
市場でのオニオコゼ標識放流魚の調査
市場に入荷してきたオニオコゼの標識放流魚を探しているところです。
さあ、発見できるでしょうか?
見つけました!手前の腹ビレ(左腹ビレ)が完全に切ってあるオニオコゼです。
放流から2〜3年たっていると思われます。
他にもヒレが再生してわかりにくいですが、左腹ビレが少し小さなオニオコゼも見つけました。