ヤマトシジミ
ヤマトシジミは北海道から九州まで分布し、日本全域の汽水湖や河川の汽水域に生息しています。
生活様式は、砂礫質の底質中に潜って生活しており、水中の植物プランクトン等を餌としています。水温の高い春や夏は底質の表層付近で生活しますが、水温の低い冬は深場に生息域を移して生活します。
生息地によって多少異なりますが、7〜9月に産卵期を迎え、放出された卵子と精子が水中で受精し、受精卵が形成されます。受精卵は卵割を繰り返し、浮遊幼生を経て底生生活に移行し、着底稚貝となります。
シジミは鋤簾(じょれん)と呼ばれる漁具を使った方法等で漁獲され、みそ汁やしぐれ煮等で美味しく食べられます。
水産振興センターでは、平成23年度から種苗生産技術開発試験に取り組み、平成31年度から事業化し、生産しています。
採卵
母貝を加温し、卵子と精子の放出を促します。
黒い粒状に見えるのが卵巣内の卵子です。成熟が進むと水中に放出されます。
線状に見えるのが精子です。水中に放出された精子は卵子と結びつき、受精卵を形成します。
精子が卵子に入り、受精する様子です。赤い丸の線状のものが精子になります。精子が卵子に入って受精すると、受精卵が形成されます。
受精卵は卵割を繰り返し、幼生を経て稚貝となります。写真は受精後、約2週間が経過した稚貝(約220μm)です。この頃から足と呼ばれる器官により移動します。
飼育・成長
餌は植物プランクトンを与えて飼育します。
稚貝の大きさが1mm程度になると、殻が色付き始めます。