本文はじまり

“ひろしまそだち”のトマト

大玉トマト

 今が旬のトマト。真っ赤なトマトが売られているのを見ると、夏が来たなあ!と思います。 

 今の時期に出荷されるトマトは3月下旬から4月上旬にビニールハウスの中へ植えられます。この時期、南米原産のトマトにとってはまだ寒いので、ハウスの中で保温しながら大事に育てられます。

 その後は気温の上昇とともに、お日様の光をしっかりと浴びてぐんぐん成長していきます。

 実は、大玉トマトは花の咲く数(=実になる数)がある程度決まっています。しかし、温度が高すぎても、低すぎても、栄養状態が良すぎても、悪すぎても、受粉がうまくいかず、実にならないという気難しい(!?)植物です。

 限られた花をいかに咲かして、実をつけさせるかというところが、各農家の腕の見せ所で、水や肥料のやり方にこだわり、細やかな管理を行っています。

 収穫のタイミングも大事です。“ひろしまそだち”のトマトは産地に近い分、皆さんの食卓に並ぶ時期に完熟するタイミングで収穫されています。

 “ひろしまそだち”のトマトはこのように手間と愛情をたっぷりと与えられて育っています。

 安佐南区の“ひろしまそだち”トマトは6月上旬から7月いっぱいが出荷の最盛期です。とれたて元気市などの直売所や大手スーパーで購入できます。売り場に“ひろしまそだち”の表示がない場合は、広島県産表示のあるトマトの中から選んでくださいね。
ぜひ食べてみて下さい(^^)/


 

私たちが行ってきました!

 広島市食農コーディネーターの 生産者さん訪問コーナー


安佐南区川内町のトマト生産者 
板尾農園 板尾弘幸さん

 

 川内は、太田川が運んできた砂でできた水はけのよい土壌、かつては一面の広島菜畑だったことが物語るように、野菜作りには最適なところです。板尾農園さんは、この川内で、冬場には広島の伝統野菜、広島菜を作り、夏場はトマトやエダマメなどを作っています。
  板尾さんは、4年前お父様の跡を継いで就農、3棟のハウスで、奥様とトマトを育てておられました。

 
 

 さっそくハウスの中を拝見、身長ほどの高さに育ったトマトの木が、一糸乱れず整然と並んでいて、その美しさにまず圧倒されました。

 屋根は開閉式になっていて、天気の良い日は暑くなりすぎないようにビニールを上げて通気性を良くし、雨が降るとビニールを下ろして雨に打たれないようにしています。これも板尾農園の特長です。

 
 

 下の方の葉をめくると、やっと赤くなりかけたトマトがたくさん成っています。これからが本格的な出荷の時期で、出荷は6月から7月いっぱいまで続きます。

  実に日が当たると、日焼けをおこし、色がつかなかったり、皮が固くなってしまいます。日焼けを防ぐため、実が葉の陰になるように仕立てています。

  上の方の、まだ小さく青いトマトも、これからゆっくり時間をかけて、甘いトマトに成長していきます。赤ちゃんの成長を見るようで楽しみな気分になりました。1本のトマトで約80個のトマトの収穫を目指しています。

 
 左:王様トマト 右:一般的なトマト
  板尾農園で主に栽培しているのは、「王様トマト」というブランドのトマトです。一般的に売られているトマトに比べて、少しゼリー(種や汁のある部分)が少なく、購入後冷蔵庫に保存していても、実が崩れにくいという特長があります。
   お料理に使う私たちにとっては、実崩れが少ないので、美しく盛り付けたいサラダにピッタリだな、と思いました。

 また、汁気が少ないので、ピザの具など、汁気を切ってから使う料理にもピッタリです。

 角切りにしてサラダにしても、汁気が少ないので、ドレッシングが水っぽくなりにくくてよいですね。パスタのソースにするときも、種が少ないので美しく仕上がりそうです。

 「王様トマトは、実持ちが良いので、赤くなりかけてから収穫できるんですよ。」と板尾さん。ぎりぎりまで栄養を吸収して育った王様トマトは、味も、酸味や甘味のバランスがよく、皮も柔らかくて、生でいただいても加熱しても美味しくいただけるトマトだと思いました。調理も味も両方をクリアする嬉しいトマトですね。

 
  板尾農園オリジナルの段ボール(かわいいイラストと「王様トマトitaonouen」と書かれています)を目印にご購入ください。板尾さんご夫婦が心を込めてお世話をされた、板尾農園のトマトは、スーパーなどに出荷されています。
 
   板尾さんご夫婦(前列)と、今回訪問した食農コーディネーター(後列左から、岡崎、三宅、瀬良、岡本、川崎)

 

 広島市食農コーディネーターは、「農」と「食」、「生産者」と「消費者」を結ぶ、 広島市が認定したボランティアです。  広島市の地元産品「ひろしまそだち」を応援しています。