シジミの種苗生産を開始しました。

8月中旬に太田川産のシジミから採卵し、種苗生産を開始しました。
太田川のシジミは近年減少しており、資源の回復を目指し、平成23年から種苗生産の技術開発を開始しました。これまでの7年間で採卵方法や餌の種類等に関する様々な試験を行い、種苗を安定して生産することができるようになったため、今年度からシジミの種苗生産を事業化し、生産しています。
シジミはカキ等の2枚貝と同じ様に浮遊期※を経て、母貝と同じ様な貝の形になります。採卵から約2週間が経過し、写真の様な稚貝(約220μm)が当センターで見られるようになりました。
※浮遊期…シジミの受精卵は水中を漂いながら成長し、やがて幼生になります。幼生は稚貝になるまでの間、水中に浮遊した状態で生活します。この水中に浮遊する期間を浮遊期といいます。
オニオコゼの種苗を引渡しました。


7月下旬から8月上旬にかけて、全長30mm以上に成長したオニオコゼの種苗を広島市へ引き渡し、広島湾に放流されました。
5月下旬から種苗生産を開始し、動物プランクトン(ワムシ、アルテミア)や配合飼料を給餌して順調に成長しました。 オニオコゼは定着性の強い魚で大きな移動が少なく、数年後には放流場所付近での漁獲が期待できます。近年、オニオコゼは広島湾で増えており、刺身や唐揚げ等で美味しく食べられる高級魚です。とても美味しい魚ですので、スーパー等で地物のオニオコゼを見かけたら是非手に取ってみてくださいね。
ワカメの種糸(種苗)を広島市へ引渡しました。
ワカメの種苗生産は4月にメカブを採取し、遊走子※を種糸に付着させ、11月中旬頃まで陸上で種糸を管理します。11月中旬頃に種糸を海面に移動し、中間育成を開始します。陸上では顕微鏡でしか見えなかったワカメの種苗も中間育成に移行すると、成長のスピードが速くなり、みるみるうちに大きくなります。中間育成が2週間を過ぎると目でもはっきり種苗が分かるようになり、広島市への引渡し時期が近づきます。今年度は12月初旬から中旬にかけて広島市へ種糸を引渡し、その後引渡された種糸は、漁業者によって海に張られた縄(ロープ)に巻かれました。ここから漁業者によるワカメ養殖が始まり、冬~春にかけて収穫されます。
※ 遊走子とは…べん毛を動かして水中を遊泳する胞子のこと。
アユの成熟度調査
アユの親魚が飼育されている太田川漁協の養魚場において、採卵日を予測するために生殖腺の重量などを測定する成熟度調査を行っています。
今年は昨年より採卵日が早くなりそうなので、ふ化後に与えるワムシ(動物プランクトン)の培養などの準備を早めに取りかかっています。
これまでのトピック集
4月の海辺の教室のテーマは「魚のからだと年齢」でした。
4月の海辺の教室のテーマは「魚のからだと年齢」でした。
魚のヒレの名前やエラの構造などを学習した後、広島でも身近なメバルという魚を使って、内臓の各部位を観察し、スケッチもしました。次に、年齢を調べました。魚の年齢は、魚の耳(内耳)にある耳石・ウロコ・背骨に刻まれた線を見ることで、その魚が何歳かが分かります。観察後のメバルを煮付けて試食した後、耳石を取り出し、観察しました。また、クロダイのウロコも観察しました。今回観察したメバルとクロダイはともに3歳から4歳であることが分かりました。
参加者の方からは、「耳石の取り出し方がわかった。家でも色々な魚を食べて耳石を集めたい」など好評でした。耳石の観察は虫メガネでも簡単にできますので、ご家庭で魚を食べる時は、是非挑戦してみてください。
3月の海辺の教室のテーマは「魚のおろし方」でした。
3月の海辺の教室では、「魚のおろし方」をテーマに行いました。
包丁の取り扱い方法や注意点を聞いた後、二匹のアジを三枚おろしに挑戦しました。また、希望者2人にはクロダイの3枚おろしにも挑戦していただきました。丸ごとの魚をおろすのは初めてという参加者が多く、大苦戦しましたが、なんとか三枚におろすことができました。
2匹目は、コツをつかみ、皆さん1匹目より上手におろしている様子でした。最初から上手くおろすことはできないので、家庭で練習して上達していきましょう。数をこなすことが上達の近道です。
最後は、皆さんがおろしたアジを唐揚げにして試食しました。自分たちでおろした魚を食べるのは、非常に美味しいと好評でした。
3月の海辺の教室のテーマは「魚のおろし方」でした。
3月の海辺の教室のテーマは「魚のおろし方」でした。
包丁の持ち方や魚の体の構造について学習した後、「アジ」と「クロダイ」の三枚おろしに挑戦しました。
魚をおろした経験がある方は少なく、初めての三枚おろしに、最初は苦戦していましたが、作業を進めていくうちにコツをつかみ、最後は、上手に三枚おろしにすることができました。
作業後には、おろしたアジをフライにして試食しました。
参加者の方からは、「これからは家庭でも自分で魚をおろしてみたい」と大変好評でした。
最近は、スーパーなどで販売されている魚は、切り身にされていることが多く、ご家庭で魚をおろす機会は減っていますが、この教室をきっかけに、是非、ご家庭でも三枚おろしに挑戦してみてください。
2月の海辺の教室のテーマは「海藻」でした。
2月の海辺の教室のテーマは「海藻」でした。
海藻に関する基礎知識や広島市内で行われているワカメ養殖などについて学習したあと、天然のワカメや海藻を使って標本作り、押し葉作りを行いました。
最後は、生ワカメのしゃぶしゃぶを試食しました。
生のワカメや海藻に触れる機会はとても少ないため、良い経験ができたと大変好評でした。
9月の海辺の教室のテーマは「プランクトン」でした。
9月の海辺の教室のテーマは「プランクトン」でした。
海の中を漂うプランクトンや赤潮が発生する仕組みなどについて学び、井口港でプランクトンネットを使ってプランクトンの採集を行いました。
採集したプランクトンを教室に持ち帰り、顕微鏡で観察してスケッチをしました。
一見なにもいないように見える澄んだ海水の中にも顕微鏡で観察すると多くの種類のプランクトンがいることがわかり、皆さん驚いていました。
8月の海辺の教室のテーマは「育てる漁業:オニオコゼ」でした。
8月の海辺の教室のテーマは「育てる漁業:オニオコゼ」でした。
水産振興センターで育てたオニオコゼなどを使って、水産振興センターのメインの仕事の1つである「育てる漁業(栽培漁業)」について学習しました。
「育てる漁業(栽培漁業)」とは、人の手で卵から稚魚をふ化させ、一定の大きさまで育てた後、育てた魚を海に放流して海の資源を守ることです。
開催日当日は、水産振興センターで育てたオニオコゼとマコガレイの稚魚の放流体験やオニオコゼの味噌汁の試食などを行い、とても好評でした。