栽培漁業


アカモク(藻場造成試験)

アカモクは、北海道(東部をのぞく)、本州〜九州全般の浅海に広く分布しているホンダワラ科の一年生の海藻です。春先に幼胚(種)から発芽し、秋から冬にかけて 5メートル以上に生長します。雌雄異体で、本州〜九州では2月から3月頃に成熟し、ヌルヌルとした粘り気を出します。丈が長く伸びて繁茂するため、船のスクリューに巻き付くなど、厄介な海藻として嫌う方もおられますが、近年では、風味や食感がよく、栄養も豊富な食用の海藻として注目を集めています。

また、アカモクを含むホンダワラ科の海藻を中心に構成される藻場は、魚の産卵場所や稚仔魚の成育場所としての役割を果たしているほか、地球温暖化の原因となっている大気中の二酸化炭素を吸収し、海中に隔離・貯留する“ブルーカーボン生態系”としての役割も担っています。

 

試験の結果は、各年度の業務報告書をご覧ください。

種苗生産

アカモクは雌雄異体の海藻です。成熟すると雌の生殖器床上に卵が放出され、雄の生殖器床から放出された精子と受精して幼胚となります。写真は、アカモクの母藻から落下した幼胚です。

水温が低下する12月頃から急激に伸長しますが、それまではひと月に約1cm程度しか生長しません。その間、陸上で照度を調整しながら管理します。写真は、種糸に付着した種苗をシャワーで管理している様子です。

 

藻場造成試験

水温が低下する11月頃、アカモクの種苗を海中の藻場ブロックに固定します。

その後、定期的に藻場ブロックに固定したアカモクの生長状況を調査します。