栽培漁業


マコガレイ

マコガレイ

マコガレイは北海道南部から大分県沿岸まで分布し、水深100m以浅の砂底あるいは砂泥底に生息しています。

産卵期は11月〜2月頃で、水深10〜50mの砂利(じゃり)から岩礁域(がんしょういき)にかけて行われます。卵は粘着質で塊となって海底に産み付けられます。ふ化した仔魚(しぎょ)は、体長10oになるまでの約20日間浮遊生活を送ります。この間は珪藻類(けいそうるい)や動物プランクトンの幼生を餌にしながら成長します。体長10o前後になると変態(へんたい)がほぼ完了し、内湾の浅い砂泥地帯に着底し、底生生活に入ります。ただし河川水の影響の大きい河口域は避けるようです。底生生活に入るとゴカイ類を主な餌とします。冬期には沖合の深い場所へと移動し、春から夏には再び沿岸、内湾の浅い場所に移動するといった季節的な移動を行います。

人工採卵

お腹が少し大きくなったメスにホルモン液を注射します。

1〜2日後にはお腹がさらに盛り上がり、採卵ができるようになります。写真の丸で囲んだ部分が大きく盛り上がっているのがわかります。

メスのお腹を押すと大きさ約0.8mmの卵が出てきます。

卵にオスの精液を加え、軽く混ぜ合わせます。

精液を混ぜ合わせた卵を海水を入れた水槽へ移します。卵は海水と混ざり合って初めて受精(精子が卵と結合すること)が起こります。また、これと同時に卵は粘着性を持つようになります。

ふ化・成長

ふ化間もない仔魚(しぎょ)で、全長は約3mmです。カレイの仲間は生まれた時は他の魚と同じように体の両側に目があります。

ふ化後20日目を過ぎた頃からマコガレイの体は少しずつ変化してきます。写真はマコガレイの目が移動していく過程です。

ふ化後50日目で全長約15mmです。体表には模様もあらわれてきました。

平成18年度から種苗の大きさを全長25mm以上から30mm以上にしました。大きくすることにより砂に潜る能力が向上して、放流直後の食害が減少します。

体色の変化について

黒っぽい色をした稚魚を白い紙の上に置いてしばらく待つと・・・

紙の色に合わせて白く色が変わります