アユ
![アユの卵](jpg/s-photo/ayu/ayushingyo2.jpg)
アユは北海道南部から南日本、朝鮮、台湾、中国に分布しています。サケ・マスと同じように、背びれと尾びれの中間に「脂びれ」と呼ばれる小さなひれがあります。
秋に川で生まれた仔魚は、川を下って海に出て、寒い冬を海で過ごします。翌年の春に6,7センチに育ったアユは、再び川に入ります。海ではもっぱら動物プランク トンを食べていますが、川に入るとその食性が急変して、主に「水ゴケ」と呼ばれる「らん藻」や「珪藻」を食べるようになります。そのため身が独特の香気を持つようになる ので、アユを「香魚」(こうぎょ)とも呼びます。 アユは、なわばりの中に別のアユが侵入すると激しく攻撃して追い払います。この習性を上手に利用して釣るのが「友釣り」 や「泳がせ釣り」です。なわばりを持つアユの成長は良く6〜8月には15センチ以上になります。アユの数がとても多くなると、縄張りが崩れてしまい成長がよくありません。 9月には下流の産卵場へ向かい、10〜11月に砂底に産卵してまもなく寿命となります(まれに年を越すアユもいます)。ふ化した仔魚はすぐ海に下り、翌春には川に上ります。
採卵
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採卵に用いる親魚は軽く押すと卵、精子が出る状態のものを使用します。そのメスの腹をしぼって採卵します。
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卵をボールにしぼった後に、オスの精子を加えます。確実に受精させるために卵と精子を鳥の羽根でよくかき混ぜます。
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バケツに水を入れ、水流を起こしその中にスプーンを使って卵を流し込みます。
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シュロ製の付着器をすばやくバケツの中に入れて、卵を付着させます。
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アユの卵は、卵表面にある付着膜によって自然に付着器につきます。
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卵が付いた付着器を淡水を入れた水槽に入れ、ふ化するのを待ちます。
ふ化
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写真は付着器についた卵です。卵の大きさは0.9〜1.1mmです。黒くなっている部分が目です。
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アユの仔魚です。受精からふ化までは、10日から14日ぐらいかかります。
飼育・管理
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ふ化してからしばらくはワムシやブラインシュリンプを餌にします。
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大きくなってくると人工飼料を与えます。
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水槽の底掃除をおこないます。底には残った餌や糞、稚魚の死がいなどがたまります。これらを取り除くことにより水質の悪化を防ぎます。
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取り除いた死魚は数えて記録します。水質が悪くなったり、病気が発生すると死魚の数も増加します。
アユの稚魚が泳いでいる様子(動画 3,262KB)