4月の海辺の教室のテーマは「魚のからだと年齢」でした。
魚の体の構造や部位の名前などを学習した後、実際にメバルを使って観察を行いました。今回使用したメバルの胃の中から大量にエビが出てきて、体の仕組みに加えメバルの食性について学習することができました。次に、耳石を使って年齢を調べました。煮付けにしたメバルから、耳石を取り出し、観察しました。今回観察したメバルはおおよそ3歳から4歳であることが分かりました。
参加者の方からは、「魚の年齢の調べ方がわかった。家でも耳石を取り出してやってみたい」など好評でした。最後は、煮付けにしたメバルを美味しくいただきました。
平成31年度海辺の教室開催の様子
平成31年4月「魚のからだと年齢」

まず、体の構造や部位の名前や役割などを勉強しました。今回は広島を代表する魚のメバルを使って学習しました。

外部観察が終わったら、体の内臓の観察です。心臓や肝臓などの部位の名称や位置を観察しスケッチしました。また、メバルの胃の中から大量のエビが出てきました。

次は耳石を使った年齢推定です。頭部にある耳石を取り出すのに大苦戦しましたが、何とか耳石を観察し、年齢推定ができました。

最後はメバルの煮付けをみんなで試食です。「美味しい」と好評でした。
水:みりん:酒:醤油=3:1:1:1に砂糖(少々)を加え落し蓋をして約10分煮て完成です。
令和元年5月「かまぼこ作り」
5月の海辺の教室のテーマは「かまぼこ作り」でした。
かまぼこが魚のすり身から作られていることやかまぼこの歴史などの学習を行いました。広島市のかまぼこの歴史は、江戸時代後期頃に西区の草津で作られはじめたと言われています。現在は、スケソウダラを主な材料としていますが、江戸時代の頃は、近海で獲れた魚を使ってかまぼこ等が作られていたと言われています。
学習のあとはかまぼこ作り体験です。魚の身をすり鉢で練る作業やかまぼこ板にすり身をのせてドーム型に形を作る作業に少し苦戦しているようでした。皆さん、色々な魚を使って家でもかまぼこを作って食べてみてください。

かまぼこの歴史や作り方などをクイズ形式で学習している様子です。かまぼこやちくわは魚のすり身から作られています。

次は、かまぼこ作り体験です。今回は広島湾で獲れたクロダイとマダイの身でかまぼこを作ります。参加者の方は、すり鉢ですり身にしているのに苦戦している様子でした。

かまぼこ板の上にすり身をのせ、ヘラを使って整える「成型」という作業です。
販売しているかまぼこの様に、きれいに作るのは難しいことを実感しました。

クロダイとマダイの身から作った板かまぼこと、スケソウダラのすり身から作った揚げかまぼこを試食しました。美味しいと好評でした。
令和元年6月「メダカの観察」
6月の海辺の教室のテーマは「メダカの観察」でした。
今回の海辺の教室は、身近なメダカを使って卵の観察や顕微鏡の使い方などを学習しました。誰でも一度は見たことがあるメダカですが、実は野生のメダカはとても少なく、絶滅の危険があるとされています。近年、ペットショップで販売されている様々なメダカは、人が観賞用に交雑して作出したメダカたちです。みなさんも上手にメダカを育てると、繁殖して増やすことができます。ぜひ、飼育に挑戦してみてください。

まずは、メダカに関する学習です。メダカの生態に関することやオス・メスの見分け方などを学習しました。

次は、実際にメダカを見てオス・メスを見分けました。他にも、メダカの習性を利用した簡単な実験も行いました。

顕微鏡を使って、メダカの卵、メダカの赤ちゃんの観察を行いました。今回の海辺の教室ではメダカの他にもガザミの卵やルリヨシノボリの赤ちゃんなどを観察することができました。

顕微鏡観察で観察したメダカの卵などをスケッチしました。参加者の皆さんは、種類によって大きさや形の異なる卵などをたくさんスケッチすることができて大変喜んでいました。
令和元年7月「チリメンモンスター」
7月の海辺の教室のテーマは「チリメンモンスター」でした。
シラス漁の漁法やチリメンジャコの製造工程などについて学習した後、チリメンモンスター探しを行いました。見つけたチリメンモンスターは、種類を調べて、台紙に張り付けラミネートしました。海の中には、たくさんの種類のいきものがいて、お互いを支え合っているんですね。チリメンモンスターを通して、海のいきものの大切さがよく分かりました。

シラス(チリメン)は、表層に浮いた網を2隻の船で曳き、シラスの群れを獲ることなど漁法に関することを学習しました。

シラス漁では、シラスだけではなく、様々な魚介類も一緒に網に入ります。その様々な魚介類をチリメンモンスターと呼ばれています。

珍しいチリモンを見つけると嬉しいのは大人も子供も同じです。小さなタツノオトシゴやタコなどを見つけるため、皆さん一生懸命探していました。

見つけたチリモンは、種類を調べ、最後は記念にラミネートして持ち帰ってもらいました。
オリジナルチリモン図鑑の完成です。
令和元年8月「プランクトン」
8月の海辺の教室のテーマは「プランクトン」でした。
海の中を漂う様々な種類のプランクトンや赤潮が発生する仕組みなどについて学んだ後、井口港でプランクトンネットを使って海のプランクトンを採集しました。採集したプランクトンを顕微鏡で観察し、種類を調べたりスケッチしました。また、当センターで魚やカニの赤ちゃんの餌として培養している、シオミズツボワムシという動物プランクトンの観察も行いました。
普段は目に見えない小さなプランクトンが、生態系の中でとても大切な役割を果たしていることが分かりました。

プランクトンの種類や役割について勉強しました。プランクトンは肉眼では見れない小さな生物と思われがちですが、クラゲもプランクトンの1種になります。

井口港でプランクトンの採集です。サンプルが濁っており、たくさんのプランクトンがいることが一目でわかりました。

次に、当センターで魚やカニの赤ちゃんに与えるエサのシオミズツボワムシの説明を聞きました。1トンの水槽に約2億5千万個のシオミズツボワムシがいます。

みんなが採集したプランクトンを顕微鏡を使って観察しました。カキのエサとなる植物プランクトンや素早く動く動物プランクトンを観察しました。
令和元年9月「育てる漁業:マコガレイ」
9月の海辺の教室のテーマは「育てる漁業:マコガレイ」でした。
育てる漁業とは、「栽培漁業(さいばいぎょぎょう)」とも言い、魚介類をある程度の大きさまで人の手で育て、海などに放流し、自然の中で大きくなった魚介類を獲る漁業のことを言います。
今回は、育てる漁業や水産振興センターで育てている魚介類の赤ちゃん(種苗)について学習した後、マコガレイの赤ちゃんの放流体験や魚介類の赤ちゃんを育てている施設の見学を行いました。

当センターでは、8種類の魚介類の種苗生産を行っており、今回はその中で主にマコガレイについて学習しました。

マコガレイはふ化してしばらくの間、一般的な魚の稚魚と同じような姿で水中を漂いながら生活しています。ふ化後約20日頃に親魚と同じような形になり、底生生活を始めます。

放流後のマコガレイは、河口等の砂の中に身を隠しながら生活し、ゴカイ類等をエサとして、2年で漁獲サイズの約20cmに成長します。

魚介類の赤ちゃん(種苗)を育てている施設の見学やエサやり体験を行いました。
令和元年10月「塩づくり」
10月の海辺の教室のテーマは「塩づくり」でした。
世界や日本の塩づくりの歴史、塩の作り方や役割について学習しまいました。塩は、昔から人々の生活にとって欠かせないもので、食品以外にも、工業用等で様々なものの原材料として使われています。
塩づくり体験では、グループごとに分かれて、ろ過した海水を使った塩とヒジキを使った藻塩の二つの塩を作りました。海水から塩の結晶ができ始めた時は、「塩ができはじめた」との声があり、大変驚いていました。

日本には岩塩がなく、海水から塩を作っていることを学習しました。1Lの海水から塩は約3gしか作れず、昔の人々は、様々な工夫をし、濃い塩水を作り、そこから塩をつくりました。

学習の後は塩作り体験です。今回は、ろ過した海水を使った塩とヒジキを使った藻塩の2種類の塩を作りました。あらかじめ、用意していた濃い海水をフライパンで煮詰め塩を作りました。

約20分海水を煮詰めていくと、塩の結晶ができてきました。
ろ過海水からは白い塩、藻塩からは茶色の塩ができました。

最後は、コイワシの唐揚げに体験で作った2種類の塩と市販の塩を付けて試食しました。味の違いがわかりましたか。
令和元年12月「貝殻で作品づくり」
12月の海辺の教室のテーマは「貝殻で作品づくり」でした。
貝の仲間や種類について学習を行いました。貝類は、食用のほかに貝殻を使った装飾品や工芸品、さらには日本人形や日本画の顔料などに用いられています。
今回は、クリスマスも間近に迫っているということで、貝殻でクリスマスリースを作成しました。約20種類の貝殻から思い思いの貝殻を選び、オリジナルのクリスマスリースを作りました。

貝と聞くと硬い殻を持ったカキやアサリを思い浮かべると思いますが、貝類は軟体動物と言うグループに含まれます。軟体動物には貝のほかにもタコやイカも含まれます。

用意した貝は、サザエなどの巻貝やカキ・アサリ・ムラサキイガイなどの二枚貝で、主に瀬戸内海で採れる貝約20種です。参加者さんは自由に貝を選び作品作りに挑戦しました。

今回、参加者さんが作成するのは、貝殻を使ったクリスマスリースです。
リースにリボンを巻き、グルーガンで貝殻をくっつけて作りました。

色々な種類の貝殻を付けた作品や1種類の貝殻だけを付けた作品など三者三様で世界に一つだけのクリスマスリースが完成しました。
令和2年2月「カキ養殖」
1月の海辺の教室のテーマは「カキ養殖」でした。
カキの養殖方法の学習や夏場に広島湾で見られるカキの幼生の顕微鏡観察、ホタテガイの貝殻に付着したカキの観察及びカキ打ち体験を行いました。
体験後は、フライパンで蒸焼きしたカキを試食し、「カキの味が凝縮されていて美味しい」など好評でした。カキはこれから春先にかけて身が太り、ますます美味しくなりますので、 当センターのカキ料理レシピを参考に色々な料理で皆さんもたくさん食べてください。

広島湾では「マガキ」というカキを養殖していることや養殖方法などについて学習しました。また、夏場にたくさん見られるカキの幼生を顕微鏡で観察しました。

カキ打ちを行う前に専用の道具の「カキ打ち」やカキを上手に打つ方法(むき身にする方法)を説明しました。貝柱の位置を把握することが大切です。

カキ打ちに挑戦です。カキは、1個ずつ大きさや形が違うため、むき身にするのに苦労しましたが、コツを掴んでからは上手にできるようになりました。

最後は、味付けなどせずに、フライパンで蒸焼きしたカキを試食しました。
「カキが嫌いだったけど美味しく食べることができた。」と大変好評でした。
令和2年2月「海藻の役割」
2月の海辺の教室のテーマは「海藻の役割」でした。
海藻の種類や役割について学習しました。また、広島湾で養殖されているワカメの養殖方法や 当センターが行っているワカメの種苗生産についても学習しました。
学習の他には、ワカメの収獲体験、ワカメの標本づくり、様々な海藻を使った押し葉作り体験を行いました。最後にワカメをお湯にくぐらせると鮮やかな緑色に変わる様子も観察してもらい、ワカメしゃぶしゃぶを試食しました。

海藻は緑藻、褐藻、紅藻の3色に分けられ、様々な海藻を選び、観察をしながら、押し葉などを作りました。
参加者の皆さんは、海藻で絵を描くように押し葉やしおりを作りました

作った押し葉などは、乾燥させ、ラミネートやフィルムでラッピングしました。海藻で作ったオリジナルの押し葉ができました。

養殖ワカメの収穫体験の様子です。12月にワカメの赤ちゃんが付いた種糸を養殖用ロープに巻き、約2ヶ月間で1m以上に生育します。

最後は、ワカメのしゃぶしゃぶです。こげ茶色のワカメをお湯にくぐらせると鮮やかな緑色に変わります。生育して間もないワカメは柔らかいく大変美味しいと大好評でした。